大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)307 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代表者の上告理由第一点について。

自作農創設特別措置法三〇条による未墾地の買收は、公共の福祉のためであつて、

所有者のある程度の犠牲を予定していることは論旨のとおりである。

しかし、同条による買收は、同条の規定上からも明らかなように、自作農を創設

し、又は土地の農業上の利用を増進するため必要がある場合にのみ行うことができ

るのである。原判決は、証拠に基いて、本件土地に関する諸般の事実を認定した上

で、本件土地を現状におくことが周囲の農地の利用に特にさまたげになるような事

情は認められないし、また、本件土地を開墾して農地となすことが近隣の農地の利

用のため必要とする特段の事情も認められない旨を判示し、結局、未墾地として買

收する必要性がないこと明らかであるとしているのである。そして、原審記録を精

査しても本件土地を買收する必要性は少しも立証されていないのである。原判決は、

所論のように、単に被上告人の生計に必要であるということだけで、本件買收計画

を違法としているのではない。原判決が本件土地の買收をもつて、上告人に属する

裁量権の限界を逸脱した違法があるとしたのは正当である。論旨援用の当裁判所昭

和三四年七月一五日判決は、未墾地買收を必要とする場合の判決であつて、本件と

場合を異にする。論旨は採用できない。

同第二点について。

原判決は、証拠に基いて、本件土地が被上告人の生計維持上欠くことができない

旨を認定しているのであるが、かりに、所論のように、原判決が、被上告人の生活

上の必要性を過大視しているとしても、前述のように、本件土地の買收の必要がな

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いことが明らかである以上、本件買收計画を違法でないということはできない。論

旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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